自分図鑑合同会社 > 読み物 > 不動産相続の苦労話 都会と田舎の違い

不動産相続の苦労話 都会と田舎の違い

おうちについて

2021/05/03


こんにちは、終活と自分整理を応援する、自分図鑑合同会社の吉田です。

 

私は、空き家に関連する仕事に長年携わってきました。

その中でたくさんの苦労話を聞いてきたのですが、

 

「田舎と都会、それぞれの苦労があるんだなぁ」

 

とつくづく感じてきました。

 

不動産相続の苦労話

 

今回は、「不動産相続の苦労話、都会と田舎の違い」というお話をしていきます。

 

 

 

都会の不動産相続の苦労話

1. 相続税が発生する可能性が高い

相続税は、遺産総額が一定額を超えると発生します。

 

相続人が1人の場合 3600万円

2人の場合 4200万円

3人の場合 4800万円 (以後一人増えるたびに+600万円)

を超えている場合、その超えた部分にかかってきます。

※配偶者は1億6千万円を超えた部分にかかってきます。

 

 

田舎は土地の価格が低いため、相続税が発生する人は多くはありません。

しかし、都会は土地の価格が高いので、相続税が発生する確率がグンと上がります。

 

 

親が残してくれた遺産のほとんどが不動産の場合でも、相続税はお金で払わないといけません。

そうなると、相続した土地を売って支払うか、自分の貯金を切り崩して支払うかになります。

このように、親が「資産家ではないが、所有していた土地の評価額が高い」場合は、子は相続税を支払うために大変な苦労をすることがあります。

 

 

 

 

 

2 所有しているだけで結構な固定資産税がかかる

 

売らずにそのままにしている場合でも、もちろん年に1回の固定資産税が発生します。
都会に不動産を所有していると、相続人は何十万円もの固定資産税が払わないといけません。

 

もし、何らかの問題で、すぐに売却できない状況だったら・・・ 想像するだけでも大変ですね。

 

 

 

3 更地にすると、高額な固定資産税がかかる

相続した家がボロボロだったら・・・

 

解体してすぐに売却出来たらよいですが、売れない事情がある場合もあります。

その場合でも、家の傷みが激しい場合は、致し方なく解体しないといけません。

 

不動産は建物が建っていると、税金が安くなります。

しかし、土地だけになると税金が何倍も高くなってしまいます。
(建物の価値と広さ等によって違いますが、一般的には3~5倍くらい)

 

もし、年間30万円払っていたとしたら、更地にした翌年には100万円以上の固定資産税が発生する可能性があるのです。

 

 

 

 

 

 

4 10か月間はあわただしい

相続税は基本的には10ヶ月以内に、申告と納税をしなければなりません。

 

もちろん、納税に行くだけではありません。

 

財産がどれだけあるかを調べたり、不動産の価値を調べたりと、いろいろ準備をしたうえで納税をすることになります。その準備には手間とお金がかかります。

 

全て自分で出来たらよいですが、財産が多いと自分ではなかなか難しい。

結果、税理士や土地家屋調査士等に依頼することとなるので、その手配も必要です。

 

 

相続税がかからない人は、2~3年かけて整理する人もおられますが、相続税がかかる場合はのんびりできません。

 

そのため、10か月間はなにかとあわただしい日々が続くのです。

 

 

 

 

 

5 お金でもめやすい 

お金が絡むと兄弟は仲が悪くなりやすい。
そんな話をよく聞きます。

 

貰えるお金が少なければ、あまりガツガツもせずに穏便に話し合いができるかもしれません。

 

しかし、一人何千万円も貰える場合は、やはり欲が出ます。

 

しかも、財産の大半が土地の場合は、現金で均等に分けられることができないので、多少の不平等が出てきます。

 

結果、兄弟間で揉めるケースが増えるので、都会に土地をお持ちの場合は、自分が亡くなった後に揉めないように事前対策を取っておきましょう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

田舎の不動産相続の苦労話

田舎は地価が安いため、相続税がかかる人は多くありません。

その代わり、代々引き継いだ土地、農地、山など、相続が思うように進まない要素がたくさん存在します。

 

田舎ではどんな苦労があるのでしょうか?

 

 

 

1 祖父名義の土地が残っていると大変

田舎の場合、自分で購入した家ではなく、代々引き継がれた土地を所有している方も多くおられます。

 

その場合、土地の名義が「祖父のまま」「曾祖父のまま」というケースがよくあります。

 

名義が変わっていないと、名義変更をするために、相続人何十人の印鑑を押印してもらわないといけない可能性が出てきます。

そうなると、相当な苦労をしないと解決できません。

 

詳しくは、この記事をご覧ください。

 

田舎の家あるある~土地の名義編~

 

2 自分の土地なのに、集落の住人にお伺いを立てないといけない?

これは、法律の問題ではありません。

 

昔ながらの集落の土地を売る際、近所の人たちがざわつくからです。

 

空き家の仕事をしていると、田舎空き家の所有者様からも相談が入ります。

 

調査として空き家に行くと、必ず近所の人たちから声がかかります。

「ここ、売りに出すの?」「どんな人が住むの?」などなど

 

もちろん、法律的には近隣の承諾は必要ありません。

自分の権利として売却できます。

 

でも、中には難しいことを言ってくる住人もおられます。

田舎の家の売却は、都会とは少し違う苦労があるのです。

 

 

 

 

 

3 山を所有している

田舎に「山」は付き物です。

 

山は非常に売りにくい。

買い手が見つかりにくいだけではなく、隣との境界が曖昧だからです。

 

『お隣さんと、「この沢(小川)からこっちが私の土地ね」と決めていたが、年月が経ち沢が無くなったから境界が分からなくなった』

といった話もよく聞きます。

 

隣地の所有者も代替わりしていることが多く、「境界を知っている人が誰もいない」という現状も起こり得ます。

 

法務局に行っても、市役所に行っても、明確には分かりません。

そんな問題もあり、売れずに放置している人も多いようです。

 

 

 

 

 

4 農地を所有している

農地は「農地法」という法律で守られています。

そのため、住宅地のように簡単に売却できません。

 

 

「実家は売ったが、農地は売却できなかったので、私が所有し続けています」

という相続人さんもおられます。

 

農地法は古くからある法律なので、もっともっと今の形に変えてほしいところですが、もうしばらくは農地の相続で苦労する人は減らないでしょう。

 

 

 

 

 

5 荷物が多すぎる

田舎の家は家が広い。

 

家が広さと荷物の量は比例して多い。

 

大量の荷物を見て、うなだれる相続人さんも少なくはないでしょう。

 

 

 

 

6 空き家にすると、雑草に覆われる

田舎の家は敷地が広い。

その広い敷地の多くは、コンクリートではなく「土」のままです。

 

もちろん、都会でも広い庭の家はありますが、田舎は特に土の部分が広い。

 

住む人がいなくなると、あっという間に雑草に覆われます。

 

田舎の家は広いので、夏場に3か月放置したら、自分一人で草刈りできないくらいの量になります。

 

結果、定期的に造園屋さんを呼ぶことになり、維持費が高くつくという苦労話もよく聞きます。

 

 

 

以上が不動産相続、都会と田舎の違いについてでした。

 

 

都会も田舎も、元気なうちからしっかりした事前準備をすることが、非常に大切だということが分かりますね

 

 

 

 

 

 

 

↓ 当社が販売中の終活ノートです。
 「親子の意思疎通ツール」、「自分整理ツール」としてご活用ください