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田舎の家あるある~土地の名義編~

おうちについて

2021/01/24

もし、親が住んでいる土地が、祖父名義のままだったら、大変なことになるかもしれません!

ここでは、どんな大変なことが起きるかを解説していきます

 

 

 

1 土地の名義変更をしなかったら?
2 土地名義が祖父のままだった場合は?
3 名義人の子が亡くなっている場合は?
4 さらに名義が古い場合はネズミ算式に・・・
5 放置し続けたら・・・家が売却できない!
6 解決策は?
7 最良の方法は・・・「事前対策!」
8 名義変更の方法
9 まとめ

 

土地の名義変更をしなかったら?

土地の名義というのは、不動産登記簿謄本に記載されている土地の所有者(名義人)のことです。

名義を変更するには、管轄の法務局に行き、手続きをします。

もしくは司法書士に依頼し、変更手続きを行ってもらいます。

手続き自体はたいして難しくはありません。

 

しかし、名義変更手続きをせずに放置した場合、時間が経過すればするほど大変な事態に陥る可能性があります。

なぜかというと、相続問題が関係するからです。

 

 

 

土地名義が祖父のままだった場合は?

たとえばこの一家の場合でみていきます。

私の父は、祖父から相続した家に住んでいます。

祖父は30年前に亡くなっています。

たまたま土地の登記簿謄本を調べたところ、名義が祖父のままになっていることが判明しました。

 

父は、兄弟同士の話し合いで自分が相続したので、当然に名義変更できるものと思い、法務局に手続きに行きました。

しかし、相続人全員の印鑑を押した「遺産分割協議書」が無いと、名義変更できませんと言われ、手続きができませんでした。

 

 

 

父はこの土地を相続しているのに、なぜ手続きできなかったのでしょうか?

それは、相続したという証明がなかったからです。

 

法務局に対して「相続人同士の話し合いで私が土地の相続人になった」と主張したとしても、証拠がないので、申請者の発言が嘘か本当かが分かりません。

法務局の担当者は嘘ではないという証拠を確認しない限り、名義変更の手続きを進めてくれません。

 

それを証明するものが「遺産分割協議書」です。

書式は特に決まりはありません。

相続の分け方を記載し、相続人全員の印鑑(実印)を押すだけです。

ですので、上図(図1)のように、相続人が兄弟4人だけの場合は、苦労することなく全員の印鑑を貰うことが出来ると思います。

 

 

名義人の子が亡くなっている場合は?

問題になるのは、父の兄弟が亡くなっている場合なんです。

 

法律では、相続人が亡くなると、相続人の権利はその子に移ります。

そのため、もし下の図のように父の兄弟が全員亡くなっている場合、遺産分割協議書を完成させるためには、孫たち全員の押印が必要になります。

 

ですので、祖父名義の土地を私に名義変更しようとする場合は、私はいとこ全員に連絡を取り、押印がもらわないといけなくなってしまうのです。

印鑑だけならまだ何とかなるかもしれませんが、問題なのは、相続人には財産(お金)を貰う権利が発生してしまうことです。

もし、いとこのひとりが「相続権があるなら私の相続分のお金はいただきます」と言い出した場合は、お金を渡さないといけなくなります。

 

つまり、父に名義変更手続きをせずに放置したせいで、私たちの世代が巻き込まれてしまうことになるのです。

 

 

 

 

さらに名義が古い場合はネズミ算式に・・・

さらに大変なことは、もし祖父の父(自分から見たらひい爺さん)の名義のままだったら・・・

ねずみ算式に相続人が増えて、もう手の付けられない状態になる可能性が出てきてしまうことです。

 

私の知っている人で、相続人が94人にまで膨れ上がってしまったという方がおられました。

その方は頑張って94人の相続人全員から押印をもらったそうです。

 

幸い、皆さん素直に応じてくれたそうですが、大変な労力とお金と時間を費やしたそうです。

また、全員に菓子折りを送ったりと大変な気を使い、神経をすり減らしたとおっしゃっていました。

 

 

 

 

 

放置し続けたら・・・ 家が売却できない!

もしかしたら、「これから先も名義変更せずに放置したらいいんじゃないの?」と思った方もおられるのではないでしょうか?

もし名義変更をせずにそのままにしたら、どうなるのでしょうか。

答えは簡単。「家を売ることができない」です。

 

家を売却する行為は、生きている人の名義にしないとできません。

上記の図でいうと、現在生きている私・姉・いとこの誰かに名義変更しないと土地を売ることが出来ません。(共有名義でも可)

「私が相続人代表です!」と勝手に法務局に名乗り出ても、当然受け入れてくれないので、相続人全員の印鑑を押した「遺産分割協議書」が必要になるのです。

 

 

 

 

解決策は?

図2のようになってしまったら、解決方法は「全員の押印をもらう」or「相続放棄をしてもらう」しかありません。
どちらにしても全員に連絡を取らなければいけません。

 

 

 

最良の方法は・・・「事前対策!」

最良の解決策はただ一つ、問題が発生する前に解決すること!

つまり、「相続人が増えるまえに名義変更を完了させること」です。

 

上記の図でいうと、父の兄弟が生きているうちに、名義変更を終わらせることです。

時が経てば、相続人の誰かが亡くなります。誰かが亡くなれば、その子どもに相続されます。

一人っ子でない限り相続人が増えていきます。

相続人が増える前に、できるだけ早い段階で名義変更を終わらせる。最良の策はそれしかありません。

 

 

といっても、自分の実家の土地名義を調べたことがある人なんて、あまりいないと思います。

ここからは、不動産の名義の調べ方と、名義変更手続きの方法をご紹介します。

 

 

 

 

名義変更の方法

まずは土地の所有者が変更されているかの確認をします。

法務局に行けば、登記簿謄本の取得方法を親切に教えてくれます。

 

もし名義が祖父のままの場合は、法務局で名義変更手続きを行います。

法務局では必要書類の集め方などを親切に教えてくれます。

上記で述べた「相続人全員が押印した遺産分割協議書」も必要書類に入ってきます。

あとは法務局の方の指示に従いながら手続きを進めていくだけです。

 

 

自分で手続きする自信がない人や時間がない人は、司法書士に依頼しましょう。

依頼料は発生しますが、全ての法務局で行う全ての手続きを代行してくれます。

 

 

 

 

 

まとめ

土地の名義変更の大切さをご理解いただけましたでしょうか?

終活において最も大切なことは、「たぶん大丈夫」の状態にしておかないことです。

たぶん大丈夫と思っても、念のため調べてみてください。

メインの土地は大丈夫でも、「倉庫が建っている隣地だけ名義が変わっていない」ということもあるので、念には念をで調べてみましょう。

 

ちなみに、例では『土地』の話だけをしましたが、建物も調べてください。

土地の名義変更は出来ているが、建物は変更出来ていないという可能性もありますので。

 

 

 

終活で大切なのは、心配事を取り除き、心に余裕を持たせることです。

「実家の土地名義は問題なし!」と胸を張って言える状態にして、心配事を一つでも減らしていきましょう。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

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投稿日: 2021/01/24