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終活は「理由と目的」から考える

終活/自分整理について

2022/03/21

 

●終活は「理由と目的」から考える●

 

1. 終活 何からすればよい?

 

終活と一言で言っても、荷物整理、荷物処分、相続、お墓、葬儀、不動産、保険など、数多くの項目があります。
いざ、終活を始めようと思っても、「なにから始めたらよいか分からない」「私に必要な終活かどうか分からない」という状況に陥ってしまいますよね。
終活を始めるには、項目から選ぶのではなく、「理由と目的」から自分に必要な終活を探していくことが重要です。

 

理由と目的とは?

たとえば、「遺言書」という項目をみたとき、多くの方がこのような反応をされます。
「私は財産少ないし、遺産分割で揉めることもなさそうだから、遺言書なんて必要ない」と。

でも、遺言書というツールは、「自分の財産の分け方は自分で決めたい」という目的だけで使われるものではありません。
実は、認知症対策や空き家対策という目的で利用されることもあるのです。

 

○遺言書の一般的なイメージ

・自分の財産の分け方を自分で決めたい
・財産の分け方で子ども同士が揉めないように

 

○遺言書の例外的な使われ方

・妻が認知症

太郎さんは「妻の認知症は回復することはないので、自分が先に亡くなったらすぐに家を売却してほしい」と考えています。
しかし、認知症の家族が相続すると、成年後見人を付けない限り、法律上不動産の売却は出来ません。
太郎さんは生前に何の対策もしていない場合、亡くなった時点で財産は妻にも相続されてしまいます。

それを避けるためには、「不動産は長男に相続させる」というような遺言書を作成しておけば、不動産は長男の所有物になります。
一度長男の長男の所有物になってしまえば、長男の意思のみで不動産の売却が可能になります。

他にもいくつかの対策方法はありますが(家族信託等・生前贈与等)、どの対策を打つかはケースバイケースになります。

大切なことは、「遺言書を作成するかどうか」ということではなく、「理由と目的」を考えることです。

 

 

 

2. 「目的」を満たすための『手段』の探し方

上記のパターンの場合の『理由』
「妻が認知症。私が先に亡くなったときに子どもに苦労を掛けたくない」です。

そして、『目的』「子どもが苦労しないように、事前に対策を取っておく」ことです。
その「理由と目的」を達成するための手段のひとつが、「遺言書を作成する」だったのです。

しかし、よほど勉強している人でない限り、「理由と目標」を満たす『手段』は思いつかないと思います。

 

『手段』を探すには

『手段』を探すには、主にこのような方法があります。

 

①スマホで検索してみる

スマホで検索する場合、「認知症対策」のような単純すぎるキーワードで検索してしまうと、求めている情報が表示されない可能性があります。
スマホ等で検索する場合、調べたい内容に直結するキーワードを2~3つ打ち込んで調べていきます。

なるべく詳しく、かつ端的なキーワードを打ち込みます
例えば、上の例の場合だと「母が認知症 父が死ぬ前 対策」のようにキーワードを書き込みます。
すると、関連記事が検索に引っかかってきます。
内容によってはなかなか検索に引っかからないこともありますが、粘り強くいろいろなキーワードを組み合わせて検索してみてください。
法律に関係する内容の場合、よほどマニアックな内容でない限り、どこかの司法書士さんや行政書士さんが必ずブログとして書いてくれています。

このように、まずは「理由と目的」をある程度ハッキリさせたあとで、それに関連するキーワードを思いつくままに書いてみましょう!

 

②無料法律相談を活用する

自治体にもよりますが、多くの市区町村では無料法律相談を開催しています。
弁護士や司法書士が無料で相談に乗ってくれるので、非常にありがたい存在です。
ただ、相談時間が限られていますので、何が聞きたいかまとまっていなければ、答えが出る前に時間切れになってしまうかもしれません。
「理由と目的」をある程度まとめたうえで相談に行った方が良いでしょう。
開催日時は市区町村の広報誌に書いてあることが多いので、気になる方は一度チェックしてみてください。

 

③専門家に聞

もし、知りたい内容がハッキリしていたら、直接専門家に聞いてみても良いと思います。
どの専門家に聞いたら良いかリスト
・土地に関すること  司法書士
・相続税、贈与税   税理士
・財産目録      税理士・司法書士・行政書士
・相続(もめ事発生) 弁護士
・相続(もめ事無し) 司法書士・弁護士
・役所提出書類作成  行政書士
・遺言書作成     内容により適切な士業を選ぶ
・家族が認知症    地域包括支援センター・医師・司法書士等

 

④終活アドバイザー的な人に聞いてみる

「自分が知りたいことが、どの専門家の管轄なのかが分からない!」なんてこともありますよね?
その場合は、終活アドバイザーや終活カウンセラーのような資格を持っている人に聞いてみるのも良いかもしれません。
この資格の所持者は、一つ一つの知識はあまり詳しくないものの、終活に関連する知識を広く持っています。
終活アドバイザーや終活カウンセラーは、単独の仕事として活動しているというより、保険業、銀行、葬儀業者、士業、社会福祉協議会などの方が、知識UPのために取得しているケースが多いようです。
終活アドバイザーやカウンセラーの資格を持っていても、全て答えられるわけではありませんが、
「この件は司法書士に聞いてみた方が良いですよ」などのアドバイスは貰えるはずです。
もし身近に資格を持っている人がいれば、一度相談してみてはいかがでしょうか?

 

 

3.自分の状況と向き合う

自分の状況と向き合う

なにはともあれ、まずは自分の状況と向き合うことが重要です。
「私は、このまま何もしなくても大丈夫なんだろうか?」
を考えて、自分の身の回りの状況をひとつずつ調べてみてください。